ビジネス書を読む目的のひとつに、「自分を高める」というものがあります。
しかし、方法は何でもいいわけではありません。勉強するにしても、仕事の効率化するにしても、机上の空論や効果が得られないものではありませんよね。
今回読んだ本は、ひと味違います。語学力ゼロの状態からハーバードに留学、エグゼクティブMBAを取得した
医師による『目標を次々に達成する人の最強の勉強法』です。
面白かったポイント、オススメの実践方法を書いてみたいと思います。
【目次】
1.本書のメモ
2.面白かったポイント
3.一冊を通しての感想
4.実行しようと思ったところ
5.総合評価
1.本書のメモ
著者
猪俣剛典(こにしとしゆき)
- ―医師、医学博士、MBA。
- ハーバード大学眼科に留学中にボストン大学エグゼクティブMBAにてMBA取得。角膜移植免疫、ドライアイ、血管新生を研究。臨床、研究、教育への貢献をミッションに、医療経営の道にも進んでいます。
内容(Amazonより引用)
時間管理、集中力、記憶術、モチベーション向上、英語学習etc。医師として勤務しながら、語学力ゼロからハーバードに留学し、同時にMBAを取得した著者が教える、限られた時間で最大の成果を上げる技術。
その他
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
項数 :272ページ
判型 :四六判並製、右綴じ、縦書き
種類 :ビジネス書(勉強法、仕事術)
2.面白かったポイント
2-1 目標はSMARTで決める
SMARTという目標設定法は、
Specific より具体的な
Measurable 計測可能な
Achievable 達成可能な
Realistic 現実的な
Time-bound 期限が明確な
このそれぞれの頭文字をとったもの。
たとえば、「将来、大会社の社長になる」というものではなく、
「2020年までに、ハーバード大学に留学するために、TOEFLで100点を目指す」
「2018年に独立するために、2016年からビジネススクールに通う」
とする。目標を設定しても、達成できなかったり、そもそも行動できなかったりするのは、SMARTな目標を設定していないから。目標設定はSMARTを意識するのがいい。
2-2 継続性と目標の一貫性を意識する
何を成すときであっても、重要なのが継続性であるといいます。当たり前ですが、IPS細胞の発見も、その時何かが起こったのではなく、数十年やり続けた研究の上に成り立っています。続かなければ、何も成せないことの証です。
そして、目標の一貫性を持たせること。仕事や家庭、金銭的、健康など、複数の目標設定すべきだが、その際に重要なのは一貫性保つこと。
著者の目標は、母校を世界一の医学部にする、ということだった。そのために、ハーバード、MBA取得という目標が浮かび上がってきた。バラバラな目標を立てるより、一貫した目標を作っていくことで、究極の目標に達成できる。
2-3 医療現場で使われる「トリアージ」で優先順位を決める
トリアージとは、医療現場で使われる優先順位付の方法論です。大事故や大災害があって人員や物資が不足したとき、患者の重症度から、優先順位をつける4色のタグを手首につけます。それがトリアージです。
本書では、このトリアージをビジネスに活かした優先順位のルールを紹介しています。
赤タグ 一刻も早く対処する必要のあるタスク(1〜3日以内)
黄タグ 1週間以内に対処が必要なタスク
緑タグ 全く緊急性がないタスク
黒タグ 終わったタスク
自分のタスクは、直感的に、視認できるものにしておくことで、意味ではなく感覚的にタスクを処理ができる。そうすることで、処理スピードや脳へのストレスが軽減できる。
2-4 週末にまとめて勉強しない
週末にまとめて勉強や夢のための作業をする人がいますが、毎日のほうがいい。たとえば、土日に10時間やるよりも、1日1〜2時間の時間をつくったほうが、集中力も高まります。さらにエビングハウスの忘却曲線的にも、毎日短くても継続するほうが、記憶の定着にいい。
2-5 デストラクションタイムを排除する
デストラクションタイムとは、気が散る時間のこと。友人から喫煙所に誘われる、SNSをずっと見てしまうなどです。ほんのすこしの時間かも知れませんが、一度切れた集中力を再度高めるための労力は意外と大きい。だから、気が散る要素を排除し、そのことだけに集中力するべきである。
2-6 眠気をコントロールする
昼食を摂ると眠くなることがある。多くの原因は2つ。食後は血液が脳から消化器官に流れること。もうひとつは血糖値。簡単にいえば、昼はあまり炭水化物をとらないことで解消できる。麺類やご飯を食べる際も、野菜などを先に食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにできる。
2-7 FIFOでTODOを管理する
FIFOとはfirst in , first outのこと。つまり「先入れ、先出し」というルール。もともと会計学の考え方で、購入履歴の古いものから順に計算や計上をしていくもの。これを徹底することで、在庫(仕事・タスク)が溜まらない仕組みにでき、スピードがアップする
3 一冊を通しての感想
この本は多くが勉強法を軸にかかれていて、なかでも多かったのは英語の勉強法だったので、その部分はあまり興味がわかなかった。
医師で、ハーバード留学、MBAを取得した著者だけあって、徹底した自己管理、目標設定、効率化、勉強法はシンプルかつストイックな内容だった。100%真似するのは難しいよね、と思うのですが、自分の仕事や人生において、参考にしたいと思うところはたくさんあった。
よかったのは、著者の尊敬する方の対談コラムがいくつもあったところ。情報量が単純に上乗せされるだけでなく、面白く読める部分であり、人生訓としても考えさせられるところがあった。
とりあげた内容以外にも、たくさんの方法論が載っているので、超一流の人の自己管理や仕事法、勉強法を知りたいかたはぜひ買って読んでみてください。
4 実行しようと思ったところ
- 目標設定を複数出し、一貫性をもったものにする。そしてSMARTな目標を書き出す
- デストラクションタイムを排除する仕組みをつくる
- 完璧を目指さない
- TODOリストはトリアージでやってみる
- 仕事は徹底してFIFOを意識する
5 総合評価
★★★☆