こんにちは。
本の執筆に入っていく上での「売れる文章」にしたいと思っている人は多いでしょう。
今回は、文章の書き方みたいなものではなく、ちょっとだけ面白くするコツのようなものを紹介してみようと思います。
本を書いているときに、
「これってオモシロイと思ってもらえるのだろうか?」
ということが頭をよぎったりします。そうこうしている間に、筆が止まってしまうという人もいるでしょう。
本を書く上で頭に入れておいたほうが良いのは、
「読者は既に似たような本を読んでいる可能性がある」
ということです。
たとえば、集客の本を書いているとした場合、読者はネットやリアルの店舗をもつ経営者や個人事業主ですね。
そういった人が、まったく集客について学んでいない、集客の記事や本を読んだことがないってちょっと考えにくいですよね。だって経営者ですからね。すでにビジネスを始めている人がほとんどのはずです。
もちろん、これから起業する人もいるかもしれませんが、そういった人もたくさん本を読んでいると考られます。
だから、初心者向けに書くわけですが、すでに一般に広く言われている方法論くらいは頭に入っていることをイメージしておきましょう。
これはまだ文章を面白くするコツの前段階(準備)です。
では、「読者は既に似たような本を読んでいる可能性がある」ということを頭に入れた上で、何をすればいいでしょうか。
それは、「読者のツッコミ」を想定する、ということです。
企画書段階では、想定読者の設定を行います。
でも執筆中は、読者のツッコミ想定が大事なんですね。案外誰も言っていませんが。
つまり、ノウハウを書いていて、
「それって知ってるよ」
「わかってるけどそれができないんだよ」
「やってみたんだけど、実際は○○なんだよね」
というツッコミが入るかどうかをチェックしていきましょう。
このチェックをしながら書くと、読者の頭の中を先取りでき、ツッコミに対する答えを書くことが出来るので、読んでい人の本当の悩みに回答できたりします。
たとえば、
「集客で大事なのはステップメールをつくることです」
みたいな主張を書いたとします。
読者は「知ってるよ」「またそんな話か…」と思うと想定するんですね。実際そう感じると思います。
なので、そのツッコミが想定できたら、そのツッコミに先回りして、回避したり、回答したりするんですね。たとえば、
「ほとんどの集客の専門家は、集客で重要なのはステップメールと言います。しかし、実際はどうでしょう。ステップメールをやってみたものの、うまくいかなかった人が多いのではないでしょうか。〜」
ここから先はどういう主張にするか次第ですが、ツッコミを想定することで、想定読者が想定していなかったノウハウや方法論を伝えていくことを強いられるため、あなたの脳もフル回転して、読者の悩みを解決する方法論をより具体的に考えるようになるんですね。
言葉にするとわかりにくいですが、実際書いているときは読者が読みながらツッコんでくること、ツッコミの言葉をイメージしてみてくださいね。
この「読者ツッコミ」は、文章だけでなく、企画そのものでも使えます。
私がつくった本で言いましょう。
今年の頭にPDCAの本を作りました。
大枠の主張としては「PDCAを回せば、仕事の人生も大きく変わっていく」というものです。
要するにPDCAが大事ってこと。
でも、PDCAって言葉はほとんどの人が知っています。そしてPDCAって大事だよね、ってみんながなんとなく思っています。
「PDCAそりゃそうだ。そりゃ大事だよ」
というツッコミが想定できます。
ここからどうするかというと、このツッコミに対する文章にしていくわけです。
なんだったら文章というよりも企画の狙い自体も変わります。
想定したツッコミから、次のような論理展開ができます。
「PDCAが大事ですよ、という本では売れない。みんなそれは分かっている。
PDCAは知っているけど、実はPDCAが回せていないという潜在的な思いがあるのではないか。それについて書いてある本があったらいいな……」
そこで完成したのが『自分を劇的に成長させる!PDCAノート』です。
PDCAの重要性を説く本ではなく、「PDCAという言葉も、PDCAの重要性も知っている、それなのにPDCAの回し方を知らない人向けの本」になっています。
結果、7万部のヒットになり、2017年啓文堂書店ビジネス書大賞を受賞できました。
まだ売れているので、部数はさらに伸びていくはずです。
想定ツッコミは、文章をおもしろくする効果はもちろん、企画そのもの、読者そのものの変える力があります。
出版しようと企画をしている人、現在執筆している人も、読者ツッコミの想定を行ってみて下さい。
きっといいヒントが見つかるはずです。